「スクルージ」千穐楽のご報告

 

 20151215日(火)

      13:30

ミュージカル「スクルージ」は、大盛況のうちに千穐楽を迎えました。

 

千穐楽(および何度か)拝見しましたので、そのご報告です。

 

 

 

 

「クリスマス・キャロル」なのであらすじは割愛です。(なーんて、実は有名すぎてあらすじを知っていただけに、原作読んでません…)

 

★舞台の印象★

初日直後に拝見した時より、街の雰囲気がよりリアルで濃密になっていました。

スクルージは偏屈で冷酷な男だというだけではなく、彼に借金がある人々にとっては弱みを握られて反抗できないだけに余計に腹立たしい相手。しかし、そういう「共通の敵」の存在によって、一層団結している街の人々の様子が、会話の時のちょっとした仕草や笑顔や目配せから、ぐっと自然に伝わってきました。 

 

そして市村さんのスクルージは、客席と呼応しながら、コミカルなところはますますコミカルになっていました。決してオーバーアクションになっているのではなく、ちょっとした間とか仕草なんですけどねえ…あ、こんなに変わるんだ、と思いました。子供も大人も笑ってしまう…しかも同じところで笑っても、その笑いのポイントはたぶん子供と大人では違っているわけで、なんと素晴らしい観客掌握力!

 

さらに、お決まりの「ふんっ、バカバカしい」と吐き捨てるあのセリフですが、その直前に、ふと考え込むような表情と微妙な間ができていて、彼が過去の記憶に無理やり蓋をしているんだなってことが伝わってきて切なかったです。だからこそ、彼が3人の精霊によって自分の生き方を変える決意をする過程にますます感情移入してしまいました。

 

 ★『Thank you very much』のこと★

畠中さんがセンターで大活躍のこのシーン、トム・ジェンキンスは本当に身軽でした! 

大嫌いだった冷酷な金貸しが亡くなっていきなり借金がチャラになったわけで、「♪こんな素敵なことは初めてさ♪」と興奮MAXな街の人々、その中心でリヤカーの棺の上に飛び乗って歌い上げている時、畠中さんにはどんな景色が見えていたんでしょうねえ。 

畠中さんが最後に捌けて行くとき、棺の上で帽子をぬいで「Thank you!」と言うんですが、そのやや放心と恍惚の混ざった目が印象的でした。

 

自分が死んだことが人々を喜ばせているとも知らず、初めて味わう「人に感謝される喜び」に感動のあまり涙を浮かべるスクルージの姿は、滑稽という一言では片づけられないのですが…だからこそここは街の人々の遠慮ない爆発的な喜びの表現が必要なんだと思いました。

 

スクルージが生き方を変え、自分の人生、友人、家族を愛せるようになった時、再び全員の大合唱となる「Thank you very much」。その意味の落差が、観客にとっても大きなカタルシスになるんですから!

 

 

千穐楽のカーテンコールでは、市村さんが「毎年やりたい作品だけど、みんな売れっ子なのでそういうわけにもいかない。でもまた必ず再演したい」とおっしゃっていました。

是非お願いします! 

畠中さんのトム・ジェンキンスにも再び会えますように!

 

 

 

「スクルージ」の公式ツイッターアカウントの千穐楽集合写真です。

 

こちらは12月10日(金)夜公演終演後に撮影させていただきました。

 

そしてこちらは千穐楽終演直後の、まだメイクの残る畠中さん。

怪我なく無事千穐楽をやりとげたことに、心からホッとされていました。

畠中さん、お疲れのところありがとうございました!(金丸さん、ご協力ありがとうございました。)

 

 

<きわめて個人的所感>

クリスチャンではないので、私にとってクリスマスには何の宗教的背景もない行事ですが、子供の頃はプレゼントがもらえるから嬉しかったし、学生時代も楽しいイベントのある時期でした。

しかし社会人になってからは12月はあまりいい記憶と結びついていません。月末の締め切りも全部前倒しになるし、海外にGreeting Cardは発送しなきゃならないし、国内の取引先にカレンダーや手帳を配らなきゃならないし、夜は忘年会が詰まってるし、家に帰れば大掃除やら年賀状書きやらと、とにかく忙しくて、世間の浮かれっぷりについていけない…「師走」の忙しさの中に紛れ込んだ異質の日!それがクリスマスでした。当日は残業していた記憶の方が多いと思います。

しかし!今回この作品に出会って、ようやくクリスマスっていいな、と幸せな気分になれました。 

家族や友人や大切な人の幸せを願う気持ち、感謝の気持ちこそが、自分も幸せを感じられる原動力になるんだって、スクルージおじさんやクラチット家のみんなが教えてくれました。(ティムの「神様のお恵みを、みんなに」というセリフには毎回泣かされましたよ…。)

 

これからは一年に一度、別にクリスチャンじゃなくたって「メリークリスマス!」って言おうと思います。

大切なことを思い出したり、再認識する日のご挨拶として。

 

by 発起人

ベストポジションから撮影された赤坂ACTシアターのお写真を提供してくださったSさん、ありがとうございました!