2009年3月11日が初日だった「ニュー・ブレイン」については、劇団四季はほとんど見たことはないけれど、さすがに「石丸幹二」さんのお名前は存じておりましたので、その石丸さんが退団後ミュージカルの舞台に復帰する第一作なら見ておこうかな~、という軽い気持ちでチケットを手配しました。

公演期間が結構長かったので、初日近くの3/17と、前楽の4/28の夜を取りました。この時点で一番気になるキャストは、宝塚OGの樹里さんだったりします。(今よりバリバリの宝塚ファンだったので)

そもそもこの期間、私はクリエの向かい側、東京宝塚劇場で行われる当時の星組トップスター安蘭けいさんのサヨナラ公演のことで頭がいっぱいでした。だからそちらの公演期間に被らないように取っただけと言っても過言ではありません。

 

畠中さんのことは何度かミュージカルの舞台で拝見していたので(音楽座でご活躍の時代は残念ながら拝見していません。その頃の私にはまだ観劇の趣味がなかったので…)、お顔とお名前と、歌もダンスもお上手な実力派であることは存じていました。

観劇直前にクリエの入口に貼ってあったポスターを見たんだと思いますが、「恋人のロジャー」と書いてあったので、おお、では畠中さんは主人公の恋人で二人はゲイなんだ、という予備知識だけは持った状態で初観劇。

 

出演者総出でテーマ曲を歌い上げるシーン(あらすじ参照)では「畠中さん細いなあ。短髪は初めて見たかも」とか悠長に思ってたんですが、お話が進むにつれ、畠中さん演じるロジャーの愛情あふれる眼差し、恋人のすべてを受け入れる包容力、深い歌声、すべてがあまりに魅力的で、気づいたら畠中さんから目が離せなくなっていました。

正直、お話の筋よりも何よりもこの時は完全に畠中さんにやられた!という状態です。

 

そこから1週間ほどは「前楽までなんて待てない…もう一度見たい」という気持ちと戦い続けていたのですが、どうやらこの作品、今一つチケットの売れ行きがよくないらしく、おけぴさんを見ても「譲る」(しかもいい席ばかり)がざくざく。公式ページを見てもそこそこのお席を選べる状態…も、もう一度だけ見ておこうかな…ぽちり。

一度自制心が飛んだあとは、リピートの嵐となりました。(ちょうど会社人生で一番忙しかった3年間のピークが過ぎ、気持ちと時間に余裕があったこと、上演時間が休憩なしで1時間45分という短さなのも、のめり込みに拍車をかけました。)

そしてリピートするほどに、「ニュー・ブレイン」という作品と楽曲の魅力にも深くハマって行きました。

テーマは一言で表すなら「再生」だと思います。でもお話は理屈ですっきり説明できない意味不明なままの部分も多いし(とはいえ、そんな不思議エピソードのほとんどは脚本家ウイリアム・フィンさんの実体験らしいんですが)、楽曲もすべてが耳に心地よいわけでもない…と思います。(そこがまたクセになるんですけど)

では何がそこまでよかったのか? 人にうまく説明ができません。その時の自分の精神状態とか、求めているものとか、何かがピタッと来てしまったんでしょうね。そういう巡り合わせだった、ということです。(この作品は、広く浅くは受け入れられなかったけれども、好きになってしまった人はかなりどっぷりはまった人が多かった、というのが個人的な印象です。)

それに何と言ってもロジャーの畠中さんが素晴らしくて!!

もともとゲイに偏見は持ってないし抵抗もないつもりでした。でも畠中さんのロジャーと石丸さんのゴードンの関係を見ていて、「愛する相手が同性というだけ」だということが初めて本当に腑に落ちました。理性ではなく心の真ん中で理解できた気がします。

そしてロジャーの魅力は、畠中さんご本人の人間性の素晴らしさであることを、もう理屈なんか一切抜きに理解しました…というかさせられてしまいました。(「舞台の上では嘘はつけない」、と役者さんが言っているのはこういうことか!と)

 

当時自分の中の衝動のままにあらすじを書いていて、ようやくロジャーが舞台上にいる時間はそんなに長いわけではない、ということに気づきました。ゴードンはほぼ出ずっぱりでしたので、きっと私はそこにロジャーも一緒に見ていたんだと思います。

 

この作品のことを語り合う場を求めて「The HATANAKA.net」さんという掲示板に辿りつき、そこで色々な方と知り合い、色々なきっかけがあって、ハタ坊の会の今があります。

 

畠中さんと事務所のご好意はもちろんですが、ファンクラブ設立の背中を押してくださった方々、会員になって一緒に応援してくださっている方々、すべての方に改めて心から感謝します。

 

これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

2018年1月9日 ハタ坊の会 発起人

放映スケジュールは↑Disneyチャンネル公式ページでご確認ください。