2014年12月7日(日)13時~
見上げたボーイズ「夢を売る男たち」
千穐楽(も)拝見しました。
初日から5日間6公演の短い期間ではありましたが、見上げたボーイズらしい、日々パワーアップして楽しくはちゃめちゃになっていく作品でした。
以下、簡単なご報告です。
←こちらは千穐楽前日、ロビーで撮影させていただいたマチネ終演後の畠中さんです。
【配役】
―共同生活をしている売れない役者たち―
川本昭彦/伊準院満太郎(脇の甘いスケコマシ)
幸村吉也/矢吹丈次(筋肉と情が厚い)
縄田晋/絹田進(虚弱なお調子者)
福永吉洋/高瀬太郎(明るい小デブ)
平野亙/三船敏男(古風で老け顔)
※( )は発起人の独断と偏見で役柄の特徴を一言で表してみたものです。
------------------------
畠中洋/松崎しげる
(通行人、婚活中のおじいちゃん、プロレス実況アナウンサー、神奈川県警刑事)
今拓哉/デラックス太田
(覆面レスラー、婚活パーティー主催者、DNA鑑定所所長)
------------------------
相沢まき/真壁亜紀(信用金庫に勤める地味なOL)
高谷あゆみ/永田成美(プロレスファン)
白木原しのぶ/佐々木京子(アナウンサー)
武者真由/間野このみ(満太郎の友人で役者)
田中愛実/脇谷真美(刑事の娘)
岡部ことも/綾小路光子(お金持ちのマダム)
※( )は劇中の登場する役柄です。
【あらすじ】
公演の失敗で1億円以上の借金を抱えてしまった売れない俳優5人組。劇団としての所持金は残りわずか1万4千円。まともに働いて返せる額ではないと、自分たちの演技力を活かした結婚詐欺を思い立つ。
「騙すんじゃない、俺たちは夢を売るんだ」と言うリーダー満太郎の言葉に乗せられ作戦開始。
満太郎は出会い系サイトを通して信用金庫の地味なOLに自分を弁護士と偽り近づく。
三船は老けメイクで高齢者の婚活パーティーに潜り込みお金持ちで孤独なマダムに近づく。
高瀬は故障中の覆面プロレスラーの中身の振りをして、ファンのおばちゃんに近づく。
絹田は機長に化けインタビューを担当した美人アナウンサーに近づく。
嘘で固めたそれぞれの出会いの場の仕掛けには、メンバーが息のあった連携プレーを見せ、ターゲットの心を掴むことに成功。
全員のサポートに回った矢吹は、この仕掛けをドッキリの収録と信じて手伝うこのみと意気投合。お互いに身寄りがない孤独を慰め合う。
騙すために近づいた相手と一緒にいることに、全員次第に幸せを感じ始めていた。
そこに突然若い娘 真美が現れ、「この中の誰かが私のパパなんだって」と言い放ったから大変!身に覚えがないとは言い切れない5人は真美の言動に振り回され、DNA鑑定まで受ける羽目に。更に結婚詐欺事件を追う刑事の出現に動揺する4人は、それぞれの相手との関係も変化していく。
孤独なマダム光子から5000万円を渡された三船は、満太郎にこれでもう詐欺はやめよう、借金は働きながら返そうと提案。しかし満太郎は亜紀の病気を治すためにその5000万円をメンバーに無断で渡してしまう。
亜紀の態度が怪しいと身辺調査をしていた矢吹に、亜紀は別の男に貢いでいると聞かされ飛び出していく満太郎。 亜紀を問い詰め、病気の話しもウソで別の男に貢いでいることもわかったが、「俺とやりなおそう!」と抱きしめる。
メンバーも、満太郎が本気で惚れたのなら、と亜紀を騙している男と決着をつけようとする。
その男とは天才詐欺師のデラックス太田!
太田を追い詰めた矢吹達は、この男に京子も成美も貢いでいたことを知る。
更に、5人の誰かの娘だと思っていた真美は、実は太田のために家出してしまった刑事松崎の娘で、太田の指示で5人に近づいてきたこともわかった。
全員揃いもそろって女を騙すつもりが騙されていたのはともかく…この無駄に大掛かりな仕掛けはなんなのか?太田の狙いは?
なんと太田の狙いは絹田が当たったことをメンバーにも隠していた宝くじ?!
何人もの女を騙し貢がせ、自分の身が危うくなれば平気で人質に取るような太田に全員の怒りが集中し…と思ったら、満太郎だけは違った。「好きな女を幸せにしろ。あとは謝っちゃってやり直せ」と。 太田はその言葉に促され、金と銃を置くと、亜紀と手を取り合う。
真美は寂しさ故に反抗してしまった父(畠中さん)と和解する。(ここの畠中さんの歌声が、まったくシーンにそぐわない美声で…)
ここで絹田が持ってきた当選金を気前よく各カップルに分け与えた満太郎は、自分は何も取らず、再び役者の道に戻ると宣言。それを聞いた他のメンバーも自分の付き合ってきた女に金を渡し、満太郎とともにやり直す道を選ぶ。
最後に、回りまわってデラックス太田に渡ってしまった5千万円を光子に振込むと、5人は男の美学を通したかのような満足感に包まれる。(一組だけカップルが成立したかに思えた矢吹とこのみは、なんと姉弟であることが判明。愕然とする二人!)
が!場面変わってデラックス太田とが日本を出国しようとしているところに、チンピラ風の恰好で浮かれた松崎と、すっかり着飾って雰囲気の変わった女たちが集結。全員がグルだった!
「マザー」と呼ばれる光子の筋書きで動いていた詐欺集団。(えええええ?そういうこと?)
太田、亜紀、京子、成美、真美、そして松崎は、マザーに別れを告げると、あの5人は今頃またどこかで夢を売っているんじゃないか?と笑いながらハワイ(?)に旅立っていった。 (おしまい)
~そしてフィナーレは見上げたボーイズの珍しくキメキメの歌とダンス!~
【畠中さん出演シーン及び個人的感想】
このメンバーが果たして1億4000万円もの借金を作ることができるのか?(借金をするにはまずそれなりの「信用」が必要ですから!)、というそもそもの疑問を始め、突っ込みどころは満載なのですが、それぞれのシーンがほとんどコント仕立てで楽しめました。
そして珍しく見上げたのメンバーが前面に出て「女を騙すイケメン」設定というのも新鮮でした。バカバカしく真剣に、刹那的に全力で笑わせてくれます。
畠中さんが最初に通行人として舞台を横切った時は、ペタッとなでつけた髪に黒縁眼鏡、疲れた顔のサラリーマン。チラシの「これ」に近い感じです。
婚活パーティー参加者のおじいちゃん(フォトメッセージ参照)は台の上で華麗に歌い踊っていました。その後、老婦人と上手側の個室に向かおうとするのですが、この時は超よぼよぼの腰の曲がったおじいさんという設定らしく、わずか数段の階段の前で足がつかえて進めなくなり、ボーイ役の矢吹(幸村さん)に片足ずつ持ちあげてもらう姿が!そのおじいちゃんっぷりが面白くて、センターで繰り広げられているお芝居を見逃しそうになっちゃいました。
その後はプロレス中継の実況アナ!「畠山洋」という名札まで立っていたのは誰のアイデアなのでしょう?
刑事はトレンチコートにハンチング帽をかぶってます。(フォトメッセージ参照)
ゲストの畠中さん、今さんがソロで歌うシーンは、美声の無駄遣いが楽しいのですが、刑事松崎が娘(一応)と和解するシーンは、それまでのストーリーの流れから激しく逸脱というか「ええ?それでいいの?」的な展開にも関わらず、畠中さんの美声と田中さんの熱演に不覚にもジーンときちゃったりします。
そして最後のどんでん返し!
苦虫を噛み潰したような顔の刑事から、一転メキシコあたりにごろごろいそうなチンピラ風の衣装にウクレレを持って現れる畠中さん!(フォトメッセージ参照)
お似合い過ぎて爆笑しました~。
千穐楽は、カーテンコールでは出演者1人ずつご挨拶がありました。
ゲストは皆さん「見上げたボーイズが大好き!」とおっしゃっていて、このカンパニーの団結力を物語っていました。
今さんは、見上げたからのオファーなら内容を聞かなくてもOKするとのこと。婚活パーティーの主催者がやっていた不気味な「ハピー!」ポーズは、今さんが自分で考えて始めたと幸村さんに暴露されてました。
途中で順番の調整までされて、ゲスト陣のトリは畠中さんでした。
ちょっと困った顔で「なんで俺が一番最後なんだよ…話しできないのに」とぼやきます。
見上げたボーイズとの共演がとても楽しかったこと、また次の機会を楽しみにしていることなど、生真面目にお話しされました。(チンピラの恰好で)
見上げたボーイズの皆さん、1年間の博品館公演お疲れ様でした!
畠中さん、ゲストの皆さん、お疲れ様でした!
by 発起人
【おまけ】
同じく、12月6日昼公演終演後の畠中さん!
※当サイトに掲載してある畠中さんのお写真は、全て事務所から掲載の許可をいただいております。